早ければ3月から投与されるワクチンは、ファイザー製のmRNAワクチンになると思います。
mRNAワクチンとはそもそもどういったワクチンでしょうか?いろいろな解説がインターネットに
上がっていますが、一番詳しそうな(私が思っているだけですが)下記のURLの内容です。
https://www.chem-station.com/chemglossary/biochem/2021/01/mrnavaccine.html
おそらく、大半の人は理解しにくい、特に、年取った大人(50以上かな)はそうだと思う。
簡単に言うと
①経験している人が多いインフルエンザワクチンとは製法が違います。
インフルエンザワクチンは、生ワクチン、不活性化ワクチンにあたります。
毒性を弱めたウイルスや死んだウイルスの一部を使う、すなわち、どうであれウイルス(実際はタンパク質)を投与するワクチンです。
②一方、mRNAワクチン(DNAワクチンも)は、遺伝情報を利用したワクチンです。したがって、全く違います。ヒト(核を持っている生物)の体に備わっているDNAからタンパク質をつくる化学反応を利用します。それは、現在の高校の生物でも教えているセントラル・ドグマ呼ばれる基本概念です。
********ここから脱線
冒頭で、mRNAワクチンについて年取った大人は理解しにくいのは、セントラルドグマを少なくとも教わっていないからです。尚、このmRNAの発見にまつわることは、https://www.rnaj.org/newsletters/item/383-furuichi-1他の日本RNA学会のエッセイにもあります。当時の最先端の研究は非常に情味深いです。
ワトソン-クリック両氏によって、遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)の分子構造が二重らせん構造をもつことを提唱されました(1953年、私が生まれた年であり、同じ年に日本のテレビ放送が始まりました。う、う、う、そうなんだ!)。そして、セントラル・ドグマはこのクリックさんが1958年に提唱されています。提唱されて、10年後の1968年は中3、高校生で生物を選択しなかったために、セントラル・ドグマついてその後50年間知ることがなかったことを今になって悔やみます。ここまで脱線****
さて、セントラル・ドグマにおいて中心的な役割を果たすのがmRNA(メッセンジャーRNA)です。ヒトの体の中でタンパク質は、筋肉や臓器、肌、爪、ホルモンや免疫物質などの生命を維持するために必須の物質です。セントラル・ドグマでは遺伝情報は、
「DNA⇒(転写)⇒mRNA⇒(翻訳)⇒タンパク質」の順に伝達されます。
mRNAワクチンは、この化学反応を利用し、ウイルスのタンパクをコードしたmRNA(またはDNA)を投与し、ヒトの細胞の中でウイルスを特徴づける(抗原)タンパクを作りだし、結果、免疫システムを活性化させるワクチンです。
だから、従来のワクチン種類、製造方法が違うのです。
先のchem-station.comのブログには、1990年代からmRNAワクチンに利用するワクチン開発の困難な理由が書かれています。高校生物基礎を数週間学んだ知識では到底理解できないので、解説できませんが、人工的に作られ、不安定であり、かつヒトの免疫作用に分解させずにmRNAをヒトの細胞に取り込ませるための研究の成果が現在のmRNAワクチンを生み出したようです。
では、mRNAはワクチン全般で問われる安全性、すなわち副反応についてはどうでしょうか?
①進んでいる接種の結果をみないとわからない。
②遺伝情報を利用するので、ヒトの遺伝子への影響は? mRNA自身は分解されるので遺伝子に組み込まれない、と言われています。しかし、妊婦や16歳以下の治験データは少ないらしい。
③mRNAワクチンと同じくDNAワクチンも研究開発されています。阪大の森下教授のグループです。
出発点がDNAの違いはあるようですが同じプロセスのようです。国産のワクチンとして期待されますが、しかし、国の承認にはまだ時間がかかりそうです。
④アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンについては、英国、EUで接種が始まっていて最近国内の製造メーカが増産体制を作りつつあるようなので、mRNAワクチンに続いて接種ワクチンとして可能性がありそうです。
⑤副反応、これが一番心配です。アナフィラキシーショックは接種後すぐに起こる副反応ですから、接種したら、しばらく接種会場にとどまって自身の状態を観察する必要があります。過去にワクチンの副反応で大変な目にあった方は接種については、事前に相談する必要があるかもしれません。通常のアレルギー、例えば食物アレルギーや薬物アレルギーはどうでしょうか?よくわからないから自身不安(造影剤アレルギー、ミドリンPで蕁麻疹の発疹体験があります)です。
➅もしも、接種によって不測の事態になった時の補償はどうなっているのか?
例えば、予防接種法は、このような場合にどう対処できているのか、国の補償は気になるところ。
(⇒厚生労働省のHPには予防接種健康被害救済制度があると記載されていました 2020/02/16)
しかし、mRNAワクチンの原理をしり、その原理を信じていますので「接種」しようと思います。