夢うつつの中聞こえるセンスのいい憧れのナレーション・・・「遠い地平線が消えて~夜の静寂のなんと饒舌な事でしょうか?日本航空がお送りする音楽の定期便、ジェットストリーム、皆さまの夜間飛行のお供します~」・・・ゴーゴー、皆さま、今晩は、機長の~大阪伊丹空港の天気は曇り、気温~途中気流の乱れがありますが飛行の安全には全く問題ありません。ゴーゴー~そして、ドン、伊丹空港に無事着陸した。私的になんとなく不安を抱えての今回の天童への演奏旅行は、たった2日間のイベントであったが、結果は素晴らしい演奏の思い出を残し、翌21日帰り組みの無事到着の連絡をもって終了した。めでたしめでたし。
今回の天童遠征は、定期演奏会終了後に、委嘱曲「蔵王」をもっと歌いたい、そして歌うなら蔵王の懐での団員の念願がかなって、天童市市民文化会館創立40周年記念行事の天童合唱祭「ふるさとを歌う」の客演の機会をいただいた。今年の初めから事務局と現地の担当者とのメールのやり取りで少しづつ準備を重ねてきた。飛行機、バスを乗り継いでの移動の2日間の日程、自由時間が殆どなく、現地での無駄な行動をできるだけ省き、効率よく行動できるように「ちょびっとinfo」という形で山形天童の情報を出発直前ではあったが提供させていただいた。私的な目標として山形名物のそば、特に「板そば」を食したかったが。。。
12月19日晴れ、12時半伊丹空港集合、総勢37名ご老人、何時も頼りになるオバチャマ方の介護人付き、山形天童、演奏に思いを馳せて、「投げようりんごを雲の上に!」飛び発つ。眼下の雲間に見える山々を蔵王じゃないかと機内の雑誌の航路図を見ながら想像するが、分からずじまいの約一時間半の旅、仙台空港についた。(俳句?
能力ナシ)
H井さんは飛行機に楽譜を忘れることもなく、仙台からバス移動、途中車窓からは雪の少ない淋しいスキー場を気にしつつ、蔵王山を探す。しかし、明確に答えられる人もいず、「あれが蔵王だと表示せい」と関西人はわめきがむなしく、16時半過ぎにはホテル王将に着いた。天童市内は雪も無く、途中の車窓から見た風景と同様に周りの山々も薄い雪化粧であり、寒くなく、部屋は暖房ガンガン、週末寒くなる予想、当然の雪に備えての重装備は皆さん空振りとなった。
ホテルに着くと、宴会まで時間があったので、私は事前に下調べした近くのそば屋さんで板そばならぬざるそばを食す。
また、天童市は将棋の駒作りでも有名であり、ホテルのロビーには大きな王将の駒が飾られていた、ホテルの向かいのそば屋さんの隣は将棋の駒屋さん、馬の字を逆さに描かく「逆さ馬」の駒は昔から商売繁盛、新築祝いなどで送られる縁起ものの駒ということで、M男とT子の携帯ストラップを早速注文した。この世に一個しかない逆さ馬は2、3週間後に届くそうで楽しみである。
そして、始まった前夜祭の宴会は誰もがお酒を慎むはずであったが、結果は私の知るところでない。来てくださった市民文化会館の館長さんは何と同志社卒、これも何かの縁を感じました。
さて、大きい事件は起こらなかったものの小さい事件は思わぬところで起こるもの、まず、一つ、当日、k本さんN井さんら先発隊8人は朝9時にロビー集合して、市民文化会館に移動した。私はロビーで携帯の忘れに気づき、取りに部屋に帰り、皆さんと合流しょうと急ぎ足で会館へ、追いつくことを期待して会館前に到着したが、待っていたのは、K藤さん、「あれ先発隊が着いていない?」、なんと事前配布のちょびっとinfoの地図も虚しく遠回りしたらしい。他の団員も迷うことを懸念して、10時ロビーに集合をA部さんにお願いし、ホテルへ戻り、皆さんを引き連れて市民会館へ移動した。
会館3階に用意された控え室には燦々と差し込む日差しにより内も外も、とても12月下旬の気候とは思えない。地元の方々が用意してくださったりんごやラフランスに舌鼓しながら楽譜を広げ周りを見ると、T中さんがいない、電話したらまだホテルの部屋でくつろいでいらっしゃった。また、早速、ホテルへ取って返し、T中さん他、k原さん、K地をピックアップしてやっと全員が揃う。集合時間の徹底ができていなかった事を反省する。
用意してくださったお昼の弁当をいただく。接待くださった方が、枚方高校を卒業されたとかで枚方交野の話題に弾む、更には実家が奈良学園前とかで一挙に山形を近くに感じる。13時からコンサート開演、地元の合唱団による2ステージを聞きたかったが、そんな余裕もなく暗譜三昧、休憩時間の14時過ぎに舞台袖に集合し、いよいよステージに立つ。待ちに待ったステージだ。観客も思った以上に入りドキドキ。ですが、冒頭であいさつしたH田さん、さすがです!当地の将棋や美人話し等絶妙なトークでまず観客を和ませ、掴みOK。そしてその雰囲気のままで「万緑充てる蔵王~」の第1声をホールに突っ込んだ、その響きの良さに歌う我々も驚きだったけど、観客の心もわしずかみのようだ。ffとppの対比、
バリトンの正確さ、テナー、セカンドのハモニーそしてそれらに助けられささえたベース、一体感が観客の心を掴む。子供の歓声「おもしやいおもしやい」と、「ちょりちょろちょろ」と何万匹のねずみ達が見えた一瞬だ。
そんな中、私は遠征直前に発症した目アレルギーによって歌っている最中も涙が止まらない。夕焼け小焼けのppの響きの空間とあなたに会えて良かった誰かねのアンコールでの手拍子、花笠音頭的なテンポでの拍手と歌とは合わなかったけれど、聞いてくださった皆さの心からの感謝の拍手をいただきました。最後まで涙腺は弛みぱなし^_^。
近くに寄るとご老人が、年を感じさせず若々しく聞こえたとの嬉しい評価、いつも練習で先生からの酷評はこの場では一掃された感じ、ここでも本番に強い京男の底力を感じた。
演奏終了後、2階のホールに集合、若々しい演奏とのお誉めのお言葉を頂き、
おまけの京男の乾杯の歌、皆さんが送って下さる際にアーチを作ってくださり、その下をくぐりる演出に涙。
気になる、果たして蔵王はどんな山?
万緑充てる蔵王は仕方ないが、樹氷は? 独鈷沼どっこ沼、・・・・・
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ゴーゴー~そして、ドン。